エタノールアミン (MEA, DEA, MEA)

[原料] - 酸化エチレン、アンモニア
[最終製品] - 溶媒、中性石鹼・乳化剤・界面活性剤、合成洗剤、ガス吸収剤、金属腐食防止剤、各種農薬用溶剤、医薬、化粧品

一般にエタノールアミンはジエタノールアミン（DEA）やトリエタノールアミン（TEA）と区別する場合は、モノエタノールアミン（MEA）と呼ばれます。
モノエタノールアミンは酸化エチレンとアンモニアを反応させて製造される。さらに酸化エチレンが反応するとDEAやTEAが得られます。

いずれも毒性、可燃性、腐食性を持ち、弱いアンモニア臭がする液体です。
水を吸って粘稠（ねんちゆう）な液体となります。
アミンとアルコールの両方の性質をもちます。

MEAの用途としては、二酸化炭素・硫化水素・二酸化窒素の吸収剤，フェノールの抽出用溶媒として用いるほか，中性石鹼・乳化剤・界面活性剤の原料としても使われます。

DEAやTEAの用途としては、合成洗剤、ガス吸収剤、金属腐食防止剤、各種農薬用溶剤、医薬、化粧品などに使用されます。

吸収剤
低温のMEA水溶液は極性物質であり非常に安定しているため、混合ガスをガス洗浄して酸性ガスを除去するのに利用されます。
酸性成分は中和によりイオン化することで水溶液に溶解します。
MEA水溶液のようなアルカリ水溶液を使えば中和されて、H2Sは硫化水素イオン(HS-)として、二酸化炭素は炭酸水素イオン(HCO3-)として水溶液中に存在します。
スクラバ装置（ガス洗浄装置）では大きな表面積でMEA水溶液と混合ガスとを接触させ、硫化水素(H2S)や二酸化炭素(CO2)のような酸成分を選択的に除去します。

界面活性剤
界面活性剤は水分と油分などのように表面張力が違い互いに混じり合わない物質の仲立ちをし、溶け込んだ状態にする物質です。
エタノールアミンはその原料の一つとして用いられます。界面活性剤洗剤、石鹸などの原料となっています。